本日の中日新聞より
本日の地元紙(中日新聞)の一面3分の1ほどにわたり
俳優渡辺謙さんへのインタビュー記事がありました。
一部だけ紹介しようと思いましたが
一部だけですと伝わらないこともあるかと思いますので
前文紹介させていただきます。
この記事の聞き手は小田克也さんです。
3・11から 人の絆財産に
豊かさの再定義
地震が起きた時、米ロサンゼルスから東京に向かう飛行機の中にいました。だからニュースを目にしてとんでもない現実を知った時、とにかく何かをしなければならないと思いました。四日後の三月十五日、サイト「kizuna(絆)311」を立ち上げ、メッセージを発し続けています。僕はあまり論理的に動けない。何が出来るのか、本当に悩みましたが、被災者の心に何かを届けようと思いました。その際都内で宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を朗読しています。
僕は震災の前から、豊かさの定義を変えなければならないと思っていました。豊かさと貧しさは線引きできるものではない。私たちの生活が豊かだと思っていたことが錯覚だったとさえ思います。1人の人間が生きるとき、何をすべきか。その原点が「雨ニモマケズ」の中にあるような気がします。
私が病気をして何も出来ないときに「慾ハナク/決シテイカラズ」に日々をいきるという感覚は胸に染みました。人生で見聞きしてきたことが、つながったように感じました。
朗読の時は、地震、津波、原発事故で苦労している人たちのことを考えています。それを支える私たち日本全体にも通じ、さらに世界に発信されていけばいいと思います。
岩手県大船渡市や陸前高田市の避難所を三日間で十五ヶ所訪問しました。マイクを握るのはやめ、一人一人の手を握ったり背中をさすったりしました。
被災地に入る前、私には「未来を語らなければならない」と言う思いがありました。しかし行ってみると、今日一日生きるのに必死は人がいる。ゆっくり眠れて落ち着く時間を作ってあげることが最優先だと思い直しました。この人たちをきちんと支える心根をもたないといけない。「自分たちが主役なんだ」と思えるまで支える必要がある。そのためには「心のケア」の準備をしていくべきだと考えています。
被災地では都会で地下鉄に乗っていたら感じることのできない絆の存在を再認識しました。辛うじてつながっている絆もあれば、断ち切られてしまった絆もある。災害は人間を丸裸にして絆を気づかせてくれるのですね。英語では一言で表現できない日本独自の言葉です。人と人の間に生まれた絆を財産にすれば、穏やかに平和に暮らす国の生き方を見つけ出せるような気がします。復旧、復興でも間違った方向には行かないはずです。
基本は一人一人の人間で、個人の意見の集約が国を変化させる。新しい発想で、本当の豊かさをつくれたらいいですね。先頭に立つ必要はないですが、結果として世界で注目される先駆者になれるのではないでしょうか。
以上です
この記事には、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の詩が添えられていました。
「本当の豊かさ」の考えは人によって違うのかもしれません。
でも多くの人の知恵や経験、能力や知識を集めたら
謙さんが最後に語った先駆者となってゆくのも遠いことではないはずです。
「本当の豊かさ」については5月7日(土)に参加してくださる皆さんと対話して参ります。
まだ参加可能
体験会に参加してくださる方は
コチラに詳細有⇒☆☆☆
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